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同じレシピでも、水が変われば味が変わる

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お米を炊く水、お出汁をとる水、コーヒーを淹れる水。毎日の料理は、思っている以上に水と向き合う時間でできています。

この記事では、お米・麺類・出汁・コーヒー・お茶を例に、水質が料理や飲み物の仕上がりにどう関わるのかを、仕組みから整理します。

この記事のポイント
  • お米の炊き上がりが水で変わる理由

  • 麺類の茹で水にも硬度は関係するのか

  • 出汁と水質の関係

  • コーヒー・お茶と水質の関係

  • 塩素のにおいが料理に与える影響

お米の炊き上がりが変わる理由

硬水に含まれるカルシウムは、お米のでんぷんやペクチンと結合し、加熱によるでんぷんの糊化(吸水して膨らむ働き)を妨げる性質があります。そのため硬水で炊くと、お米が硬めでパサついた仕上がりになりやすいとされています。ミネラル分が少ない軟水では、この働きが妨げられにくく、ふっくらとした炊き上がりになりやすいといわれています。

Fig. 01水の硬度とお米のでんぷんの糊化
  • 米粒の断面を簡略化した図を2つ並べる
  • 「軟水で炊いた場合」はでんぷんが水を吸ってふっくら膨らむイメージ、「硬水で炊いた場合」はカルシウムがでんぷんの表面を覆い膨らみが妨げられるイメージを描く
  • 医療的・断定的な表現は避け、一般的な仕組みのイメージ図に留める

麺類の茹で水にも硬度は関係する

そばやうどんの生地は、小麦粉やそば粉に含まれるグルテンやでんぷんの状態によって食感が決まります。硬水に含まれるミネラル分は、お米の場合と同様にでんぷんの糊化や生地の状態に影響することがあるとされ、茹で上がりの食感がやや硬くなる場合があると指摘されています。国内の水道水は軟水が中心のため、通常の使用で大きな違いを感じる場面は多くありませんが、海外の硬水地域では、茹で加減の調整が必要になることもあるようです。

Water Library豆知識

パスタの本場であるイタリアなど、硬水地域では茹で時間をやや長めにするレシピが見られるのも、こうした背景と関係していると考えられます。

出汁と水質の関係

硬水に含まれるカルシウム・マグネシウムは、加熱すると昆布のうまみ成分(グルタミン酸など)と結合し、抽出を妨げることがあるとされています。日本で出汁の文化が発達した背景には、軟水中心という水環境も関係していると考えられます。詳しい仕組みは硬水・軟水は何が違う?で解説しています。

コーヒー・お茶と水質の関係

コーヒーは9割以上が水でできているため、水質の影響を受けやすい飲み物のひとつです。スペシャルティコーヒー協会(SCA)は、コーヒーに適した水質の目安として、総溶解固形分(TDS)や硬度・pHなど複数の指標について推奨範囲を定めています。

水の硬度コーヒーの傾向

軟水寄り

コーヒー本来の風味が出やすいとされる

適度な硬水

甘みやコクが強調されやすいとされる

非常な硬水

抽出が妨げられ、風味が弱く感じられやすいとされる

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日本の水道水の多くは軟水に分類されるため、コーヒーには比較的適しているとされますが、残留塩素のにおいが香りを損なう場合があります。淹れる前に一度沸騰させる、または浄水を使うといった工夫が知られています。

硬水がコーヒーの抽出に影響する理由のひとつに、水中のミネラル分がコーヒー豆由来の酸味・苦味成分と結びつき、抽出のされ方を変えるという考え方があります。ミネラル分が多すぎても少なすぎても、風味のバランスが偏りやすいとされ、SCAの推奨範囲はこのバランスを踏まえた目安になっています。

Fig. 02水のミネラル分とコーヒー成分の関係
  • コーヒー粒子から成分が溶け出す様子を表す簡略図
  • 「ミネラルが少ない水」「適度なミネラルを含む水」「ミネラルが多い水」の3パターンを並べ、成分の抽出量をバーの高さで表現する
  • 適度なミネラルのパターンが最もバランス良く抽出されているイメージにする

塩素のにおいが料理に与える影響

水道水を沸騰させると、残留塩素が気体となって揮発し、消毒特有のにおいが軽減されるとされています。ただし沸騰後5分ほどは一時的にトリハロメタンの濃度が上がることがあるため、においが気になる場合はふたを開けたまま10分以上沸騰させるとよいとされています。詳しくは水道水に塩素が入っている理由で解説しています。

ポイント

水の違いは、料理の良し悪しを決めるものではなく、仕上がりの「傾向」に関わる要素のひとつです。どちらが正解ということではなく、好みの仕上がりに合わせて水と向き合うという視点が大切です。

まとめ

お米・麺類・出汁・コーヒーなど、料理と水質の関係には、それぞれ異なる仕組みが関わっています。硬度や残留塩素は、料理の良し悪しを決めるものではなく、仕上がりの傾向に影響する要素のひとつとして捉えるとよいでしょう。特に和食や繊細な抽出を伴う飲み物ほど、水の違いが仕上がりに表れやすいといわれています。

普段の水を少し意識してみることで、料理の印象が変わることもあります。まずはいつものお米や出汁、コーヒーで試してみて、ご自身の好みに合う水との付き合い方を見つけてみてください。実際の暮らしの変化については、導入事例でもご紹介しています。

編集部コメント

水の違いを「正解探し」にせず、好みを探す材料として楽しんでいただければと思います。

参考資料

この記事を書いた人SUIPURE編集部

水と暮らしについて、根拠のある情報をわかりやすくお届けします。

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