お風呂上がりに肌がつっぱると感じたことはありませんか。原因は洗浄成分や乾燥した空気だけでなく、使っている水そのものにもあるかもしれません。
この記事では、残留塩素・硬度と肌の関係について、国内外の研究データをもとに整理します。
肌のつっぱりに、水質が関係する理由
残留塩素が肌バリアに与える影響について分かっていること
硬度との関係
季節や年齢によって感じ方が変わる理由
気になる場合にできること
肌のつっぱりに、水質が関係する理由
残留塩素と肌バリアの関係
2024年に日本化粧品技術者会誌に掲載された研究では、水道水中に残留する塩素が、肌の一番外側にある角層のタンパク質を酸化させる(カルボニル化)ことで、表皮のバリア機能を低下させるリスクが潜在的にある可能性が指摘されています。
硬度との関係
海外の研究でも、水質と肌の関係は調べられています。約1,300人の乳児を対象にした研究(Journal of Allergy and Clinical Immunology掲載)では、家庭の水道水の硬度が平均より高いと、生後3か月時点で目に見える湿疹がある割合が統計的に有意に高いという結果が報告されました。この傾向は、塩素濃度の高低にかかわらず見られたとされています。
- 肌の断面を簡略化した図に、一番外側の「角層」を拡大表示する
- 健康な角層(潤いを保つ層が整っているイメージ)と、乾燥した角層(層に隙間ができ水分が逃げやすいイメージ)を並べて比較する
- 「残留塩素」「硬度」の矢印を角層に向けて添え、どちらも角層に作用しうることを示す
- 医療的な断定を避け、あくまで一般的な仕組みのイメージ図に留める
アトピー性皮膚炎との関連について、分かっていること・分かっていないこと
肌が敏感な方や、もともと肌バリア機能が低下しやすい方にとって、水質(残留塩素・硬度)が悪化因子のひとつになりうることは、複数の研究で指摘されています。浄水器協会が医療機関(鶴町皮膚科クリニック)と実施したモニターアンケート調査では、浄水シャワーの使用によって頭皮・髪のかゆみが「緩和した」と回答した方が61%にのぼったと報告されています。これは業界団体によるアンケート調査であり、大規模な臨床試験とは性質が異なる点には留意が必要です。
水質が肌に与える影響の大きさは、洗浄成分・気候・体質など他の要因とも重なり合うため、水質だけを取り出してどの程度影響するかを一律に示すことは困難です。個人差も大きく、研究が続けられている段階です。
肌のつっぱりの原因は一つとは限りません。水質はそのひとつの要因として知られていますが、洗浄成分や保湿ケア、室内の湿度なども合わせて見直すことが大切です。
季節や年齢による感じ方の違い
なぜ冬に感じやすいのか
冬場に肌のつっぱりを感じやすいのは、水質だけでなく複数の要因が重なるためです。空気が乾燥して肌表面の水分が蒸発しやすいこと、熱いお湯で入浴する機会が増え皮脂が余分に洗い流されやすいことなど、季節特有の条件が重なることで、水質による影響も相対的に感じやすくなると考えられます。
赤ちゃんや高齢者の肌は影響を受けやすいのか
赤ちゃんの肌は角層が薄く、バリア機能が未発達なため、外部からの刺激の影響を受けやすいとされています。高齢者の肌も、皮脂分泌の低下によりバリア機能が弱まりやすい傾向があります。どちらの世代も、水質を含めた外的要因への配慮が参考になる場面が多いといえます。
気になる場合にできること
入浴後は、肌が乾燥しないうちに早めに保湿ケアを行うことが基本とされています。
熱すぎるお湯は肌の油分を余分に洗い流してしまうため、ぬるめの温度を意識するとよいでしょう。
残留塩素や硬度が気になる場合、浄水シャワーヘッドや浄水器の導入も選択肢のひとつです。詳しい仕組みは水道水に塩素が入っている理由、硬水・軟水は何が違う?でも解説しています。
まとめ
お風呂上がりの肌のつっぱりには、残留塩素や硬度といった水質も関係しうることが、国内外の研究で報告されています。ただし影響の大きさには個人差があり、水質だけがすべての原因というわけではありません。
仕組みを知ったうえで、保湿ケアや水との向き合い方を見直すきっかけにしていただければと思います。もしご家庭の水環境を見直したい場合は、SUIPUREの残留塩素ページもあわせてご覧ください。
「なんとなく水のせい」で片付けず、要因を分けて考える視点が、案外一番の近道だったりします。