シャワーやお風呂で、いつもと違うなめらかな水当たりを感じたことはありませんか。その正体のひとつが「ナノバブル(ウルトラファインバブル)」です。
この記事では、ナノバブルとは何かという基本から、肌への影響について現時点でどこまで研究が進んでいるのかを、事実に基づいて整理します。
ナノバブル(ウルトラファインバブル)とは何か
国内でどのような研究が行われてきたのか
肌への影響について、分かっていること・分かっていないこと
使う上で知っておきたいこと
ナノバブルとは何か
ウルトラファインバブルの定義
「ナノバブル」は一般に広く使われる呼び名で、日本産業規格(JIS B8741-1)や国際規格(ISO 20480-1)では「ウルトラファインバブル」として、直径1マイクロメートル未満の気泡と定義されています。毛穴や毛髪よりも小さく、肉眼では見えません。
なぜ長く水中にとどまるのか
ウルトラファインバブルは、気泡表面が帯びる電荷の影響で気泡同士がくっつきにくく、浮力よりも水分子の動き(ブラウン運動)の影響を受けやすいため、通常の泡のようにすぐ浮かび上がって消えず、長時間水中にとどまるとされています。
どうやって発生させるのか
発生方式にはいくつかの種類があります。気体を加圧しながら液体に溶かし込み、急激に圧力を下げることで気泡化させる「加圧溶解方式」、水流の中でマイクロバブルにせん断力を加えてより微細化する「気液せん断方式」などが代表的です。方式によって、発生する気泡の量や粒径の分布が異なります。
研究では、水中のウルトラファインバブルにレーザー光を当て、ブラウン運動の軌跡から粒径や個数濃度を測定する手法(ナノ粒子トラッキング解析)がよく用いられます。目に見えない気泡の存在は、こうした計測技術によって確認されています。
- 「目に見える泡」「マイクロバブル(100μm未満)」「ウルトラファインバブル(1μm未満)」の3つを、円の大きさで比較する図
- 毛髪の直径(約80μm)を目盛りの目安として添え、ウルトラファインバブルの小ささを実感できるようにする
- 文字は名称と数値のみに絞り、装飾は入れない
国内でどのような研究が行われてきたのか
経済産業省による技術開発の支援
ファインバブル技術は日本発の技術として、経済産業省が2014年度に「ファインバブル基盤技術研究開発事業」を実施し、洗浄・産業応用に向けた基盤技術の構築を支援してきました。
肌への影響に関する研究
学術誌The Journal of Dermatologyに掲載された二重盲検ランダム化クロスオーバー試験では、軽症のアトピー性皮膚炎がある成人を対象に、ウルトラファインバブルシャワーが経表皮水分蒸散量(TEWL)や角質水分量に与える影響が検証されました。
また、マウスを用いた基礎研究(学術誌Frontiers in Immunology、2024年)では、ウルトラファインバブルシャワーによって、皮膚バリアに関わるタンパク質(フィラグリンなど)の発現が増え、炎症に関わるサイトカインが減少したことが報告されています。
これらは、軽症のアトピー性皮膚炎がある方やマウスを対象とした、特定の条件下での研究結果です。すべての方の肌に同じ効果が得られると断定するものではありません。
肌への影響について、分かっていること・分かっていないこと
特定の条件下で行われた研究では、皮膚バリア機能に関わる指標の変化が報告されています。ウルトラファインバブルという技術自体は、JIS・ISOで定義された実在する気泡であり、産業分野では洗浄用途などで研究が積み重ねられています。
健康な肌を含む幅広い対象での効果、長期的な影響、個人差については、現時点でまだ研究が限られています。今後、より大規模な研究による知見の蓄積が期待される段階です。
使う上で知っておきたいこと
体感には個人差があります。断定的な効能を強く謳う製品や広告には注意し、根拠となる研究の内容(対象者・条件・規模)を確認する習慣を持つとよいでしょう。
ウルトラファインバブルは「気泡によって水の質感を変える」技術で、塩素やPFASなどの不純物を取り除く「浄水」とは異なるアプローチです。両方の仕組みを理解したうえで使い分けることが大切です。
まとめ
ナノバブル(ウルトラファインバブル)は、JIS・ISOで定義された実在する技術で、肌への影響についても学術誌に掲載された研究が進みつつあります。ただし、現時点の研究は特定の条件下でのものであり、断定的な効能を語れる段階ではありません。
仕組みと研究の現在地を知ったうえで、ご自身の体感を確かめてみることが大切です。NanoLuxeのナノバブルとは、美容ページでは、具体的な使用シーンをご紹介しています。
新しい技術ほど、期待と実態にギャップが生まれがちです。研究の現在地を正直にお伝えすることが、Water Libraryの役割だと考えています。