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水の基礎知識

セントラル浄水器は設置できる?戸建て・マンション・賃貸の条件

9分で読めます

セントラル浄水器は、水道メーターの直後の給水管に取り付ける設備です。戸建てなら多くの場合で検討できますが、マンションや賃貸では「誰の持ち物の配管か」によって、事前に許可を取る相手が変わります。

この記事では、住まいの種類ごとに設置場所・確認する相手・注意点を整理します。水道局や国土交通省の公開資料をもとに、制度として決まっていることと、建物ごとに違うことを分けて解説します。

この記事のポイント
  • セントラル浄水器は、家のどこに取り付けるのか

  • 工事を頼める業者が水道法の仕組みで決まっている理由

  • 戸建て・分譲マンション・賃貸・新築で、確認する相手と注意点がどう違うか

  • マンションの「受水槽式」と「直結式」で何が変わるのか

  • 設置できるか調べてもらう前に、手元で準備できること

セントラル浄水器は水道メーターの後ろに取り付ける

道路の下の水道管(配水管)から分かれた水は、止水栓と水道メーターを通って家の中へ入ります。セントラル浄水器は、このメーターより家側の配管に入れる方式です。ここで浄水すれば、その先のキッチン・浴室・洗面・洗濯機・トイレへ浄水が届きます。

方式の仕組みはセントラル浄水器とは?で、蛇口に付けるタイプとの違いは「家中浄水」と「蛇口取付型」の違いで解説しています。この記事では「自分の家に付けられるか」に絞って見ていきます。

Fig. 01住まいの種類ごとの水の通り道とセントラル浄水器の位置
  • 横長の図を3段に分け、上から「戸建て」「マンション(直結式)」「マンション(受水槽式)」とラベルを付ける
  • 戸建て: 道路下の配水管→止水栓→水道メーター(敷地内の地面のメーターボックス)→浄水器→家の中の各蛇口、と左から右へ矢印でつなぐ
  • 直結式マンション: 配水管→(増圧ポンプ)→共用の縦管→各住戸のメーター(玄関脇のパイプスペース)→浄水器→住戸内の蛇口
  • 受水槽式マンション: 配水管→受水槽→ポンプ・高置水槽→各住戸のメーター→浄水器→住戸内の蛇口。受水槽の入口に「ここまでが給水装置」と小さく注記
  • 3段とも浄水器の位置だけをアクセントカラーで示し、ほかは細い線画のモノトーンにする

図のように、どの住まいでも浄水器を入れるのはメーターの近くです。違いは、メーターが「どこにあり」「その配管が誰の持ち物か」という点にあります。これが設置の可否と手続きを左右します。

メーターより先の配管は「給水装置」と呼ばれる住まい側の財産

配水管から分かれて家に引き込まれた給水管と、そこに直接つながる蛇口などをまとめて「給水装置」と呼びます。福岡市やさいたま市の水道局は、給水装置は水道局のメーターを除き、建物の所有者などの財産だと説明しています。

そのため、配管の工事費用や維持管理は、原則として所有者側が負担します。ここが「持ち家なら自分で決められるが、賃貸では大家さんの判断が必要」という違いの出発点になります。

工事を頼めるのは水道局が指定した事業者

給水装置を新しく付けたり、配管を変えたりする工事を「給水装置工事」といいます。水道法に基づき、各地の水道局は工事を適正に行える業者を「指定給水装置工事事業者」として指定しています。

東京都水道局やさいたま市水道局は、給水装置の新設・改造・修繕の工事は、指定を受けた事業者に申し込むよう案内しています。セントラル浄水器を配管の途中に入れる工事も、この枠組みで扱われるのが一般的です。

業者を選ぶときに確認したいこと

見積もりを取る際は、施工する会社が地元の水道局の「指定給水装置工事事業者」かどうかを確認しましょう。各水道局はホームページなどで指定事業者の一覧を公開しています。販売会社と施工会社が別の場合は、実際に工事をする会社を確認します。

また、水道局によっては独自の運用があります。たとえば前橋市水道局は、メーター付近の主管部に浄水器を付ける場合、水道局の承認と届出が必要だと案内しています。手続きの細部は地域で違うため、施工業者を通じて地元の水道局のルールを確認することが大切です。

住まいの種類別に見る設置場所と確認相手

住まいの種類ごとに、浄水器を置く場所・事前に確認する相手・注意点をまとめると次のようになります。個々の建物で事情は異なるため、目安として見てください。

住まいの種類主な設置場所確認する相手主な注意点

戸建て(持ち家)

敷地内のメーターボックス付近の屋外、または建物への引き込み部

指定給水装置工事事業者(施工業者)

設置スペース、凍結・直射日光・雨への対策、メーター交換の作業スペース

分譲マンション

玄関脇のパイプスペース内のメーター付近が多い

管理組合(理事長・理事会)と施工業者

メーターまでが共用部分とされる例が多い。管理規約の承認手続き、パイプスペースの広さ

賃貸(戸建て・集合住宅)

建物によって異なる

貸主・管理会社(+集合住宅は管理組合)

配管は貸主の財産。書面での承諾、退去時の撤去・原状回復の扱い

新築・リフォーム

配管計画の段階で場所を決められる

設計者・工務店と施工業者

設置スペースとメンテナンス動線を図面に入れる。給水装置工事の申請とまとめて調整

← 横にスクロールできます →

戸建ては比較的検討しやすいが屋外ならではの条件がある

持ち家の戸建ては、給水装置の持ち主と住む人が同じです。そのため、建物の条件さえ合えば、ほかの住まいより検討しやすい傾向があります。メーターは敷地の地面に埋めたボックスの中にあることが多く、浄水器はその近くに設置されるのが一般的です。

  • 設置スペース: 本体とカートリッジ交換の作業ができる広さが、メーターの近くに確保できるか。

  • メーター交換への配慮: 水道メーターは計量法により8年ごとに交換されます。交換作業の邪魔にならない位置かを確認します。

  • 凍結への備え: 東京都水道局は、水道管は気温-4℃以下で凍りやすいと案内しています。風が当たる場所や日陰では、それより高くても凍ることがあります。

  • 雨・直射日光: 屋外に置く場合は、製品が屋外設置に対応しているか、カバーなどが必要かを確認します。

  • 水圧の余裕: 浄水器を通る分だけ水の勢いは少し弱まります。3階建てや高台など、もともと水圧に余裕が少ない家では事前に相談しておきます。

寒冷地では凍結対策を必ず相談する

浄水器の本体やつなぎの配管は、凍ると破損する場合があります。冬に氷点下になる地域では、保温材や設置場所の工夫、冬季の扱いについて、施工業者と製品の取扱説明書で事前に確認しておきましょう。

分譲マンションは管理規約と管理組合の承認が鍵になる

分譲マンションには、各住戸の持ち主のものである「専有部分」と、住民全体で持つ「共用部分」があります。国土交通省の「マンション標準管理規約」は、給水管について「本管から各住戸メーターを含む部分」を共用部分の例に挙げています。

この考え方では、メーターより住戸側の配管が専有部分になります。ただし、標準管理規約は管理規約をつくる際のひな型です。実際の線引きは、お住まいのマンションの管理規約で確かめる必要があります。

専有部分の工事でも承認が必要になることがある

標準管理規約では、共用部分や他の住戸に影響しうる専有部分の工事について、事前に理事長の承認を受ける定めがあります。その具体例には「配管の枝管の取付け・取替え」も挙げられています。

  • 管理規約と使用細則で、専有部分の工事の申請方法を確認する

  • パイプスペースが共用部分か、浄水器を置いてよいかを管理会社に確認する

  • 申請に必要な書類(工事の図面・仕様書・工程表など)を施工業者に用意してもらう

  • 工事日程や騒音について、近隣への周知が必要か確認する

パイプスペースには、ガスメーターや給湯器の配管が一緒に収まっていることもあります。狭くて本体が入らない、点検口の扉が閉まらないといった物理的な理由で、設置が難しい場合もあります。

受水槽式か直結式かで配管の位置づけが変わる

マンションへの水の届け方には、大きく2つの方式があります。東京都水道局の説明では、次のように整理されています。

給水方式水の流れ住戸のメーター以降の配管

直結給水方式

配水管から直接、または増圧ポンプを経て蛇口へ届く

給水装置にあたる

貯水槽水道方式(受水槽式)

いったん受水槽にため、ポンプや高置水槽を経て各戸へ届く

受水槽以降は給水装置ではなく、建物の設備(貯水槽以下の設備)として扱われる

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受水槽式の場合、福岡市水道局の説明では、受水槽の入口までが給水装置です。そこから先は建物側の設備として、受水槽の設置者が管理します。工事の手続きの扱いが直結式と異なる場合があるため、施工業者と管理会社の両方に方式を伝えて確認しましょう。

自宅の給水方式の調べ方

屋上や敷地内に大きな水槽があれば、受水槽式の可能性があります。確実に知りたい場合は、管理会社に問い合わせるのが近道です。東京都では、4階以上に蛇口がある建物は増圧直結式か受水槽式になると案内されています。

賃貸は貸主の承諾が前提になる

賃貸住宅の給水装置は、建物の所有者である貸主の財産です。借りている人が自分の判断で配管を工事することはできず、まず貸主や管理会社の承諾が必要になります。集合住宅であれば、さらに管理組合の手続きが関わることもあります。

退去時の扱いも事前に決めておきます。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、原状回復の範囲を定義しています。借主の故意・過失や、通常の使い方を超える使用による損耗の復旧が対象です。後から付けた設備を撤去するか残すかは、契約や当事者間の取り決めで決まります。

  • 承諾は口頭ではなく、書面やメールなど記録に残る形でもらう

  • 退去時に撤去して元に戻すのか、そのまま残すのかを取り決めておく

  • 撤去や配管の復旧にかかる費用を誰が負担するかを確認する

  • カートリッジ交換などで業者が出入りすることを伝えておく

承諾を得るのが難しい場合や、住む期間が短い場合は、工事のいらない蛇口直結型や据置型のほうが現実的です。方式ごとの向き不向きは「家中浄水」と「蛇口取付型」の違いで比較しています。

新築・リフォームは配管計画に組み込みやすいタイミング

新築の場合、建物への水道の引き込みは給水装置工事として、指定給水装置工事事業者が水道局へ申請して行います。この段階で浄水器の設置を決めておけば、配管の取り回しと設置スペースを最初から図面に入れられます。

  • 設置場所: メーターの近くで、カートリッジ交換の作業スペースが取れる場所を確保する

  • メンテナンス動線: 交換作業のたびに物を動かさずに済む位置か、外構計画と一緒に考える

  • 引き渡し後の工事を減らす: 完成後に掘り返しや配管変更をする手間を避けやすい

  • リフォーム: 給水管の更新や水回りの改修と同時に行うと、工事の重複を減らしやすい

築年数のたった住宅では、配管そのものの状態も気になります。水道インフラ全体の老朽化については水道インフラの老朽化で整理しています。宅内の配管の更新が必要かどうかは、現地調査の際にあわせて相談するとよいでしょう。

設置できるかを確かめる流れ

設置できるかどうかは、最終的には業者による現地調査で判断されます。調査の前に、次の流れで確認を進めるとスムーズです。

Fig. 02セントラル浄水器の設置可否を確認するフロー
  • 縦方向のフローチャート。最上部に「住まいの種類を確認」
  • 分岐1「持ち家か賃貸か」: 賃貸→「貸主・管理会社の書面承諾」の箱を経由して次へ合流
  • 分岐2「戸建てか集合住宅か」: 集合住宅→「管理規約の確認と管理組合への申請」の箱を経由して合流
  • 合流後「写真・情報を準備(メーター周り、建物の種類、給水方式、配管の材質・太さ)」
  • 次に「指定給水装置工事事業者による現地調査」→「見積もり・必要な水道局手続きの確認」→「設置」
  • 各段階の横に、確認する相手のアイコン(貸主、管理組合、施工業者)を小さく添える。配色はアクセントカラー1色

図の順番どおり、許可を取る相手の確認を先に済ませておくと、調査後に手続きで止まる事態を避けやすくなります。

問い合わせ前に準備しておくと話が早い情報

  • メーター周りの写真: メーターボックスやパイプスペースの扉を開けた状態と、周囲の広さが分かる引きの写真

  • 建物の種類: 戸建てか集合住宅か、階数、築年数

  • 給水方式: 集合住宅の場合、直結式か受水槽式か(不明なら管理会社に確認)

  • 配管の情報: 分かる範囲で配管の材質や太さ。メーターに表示された口径(13mm・20mmなど)も手がかりになる

  • 家族の人数と水の使い方: 浄水器の大きさや処理できる水量を選ぶ目安になる

設置が難しくなりやすい主な理由

調査の結果、設置を見送るケースもあります。よく挙げられる理由は次のとおりです。いずれも建物ごとの事情によるもので、すべての住宅に当てはまるわけではありません。

  • メーターの周りに本体を置く場所や、交換作業の空間がない

  • 管理組合や貸主の承諾が得られない

  • パイプスペースの扉が閉まらなくなるなど、共用部分に影響が出る

  • もともとの水圧に余裕がなく、浄水器による水圧の低下が生活に影響しそう

  • 配管の劣化が進んでおり、先に配管の修繕が必要と判断される

設置後に気をつけたい点はセントラル浄水器のデメリットで、費用面は浄水器のコスト比較で整理しています。

まとめ

セントラル浄水器は水道メーターの後ろの配管に取り付け、工事は水道局指定の事業者が行うのが基本です。戸建ての持ち家は比較的検討しやすく、分譲マンションは管理規約と管理組合、賃貸は貸主の承諾が前提になります。

まずは住まいの種類から確認する相手を決め、メーター周りの写真などを用意して現地調査を依頼しましょう。方式そのものを知りたい方はセントラル浄水器とは?もご覧ください。

編集部コメント

付けられるかどうかは、製品の性能より先に「建物と持ち主の事情」で決まります。許可を取る相手を最初に整理しておくことが、遠回りに見えていちばんの近道です。

参考資料

この記事を書いた人SUIPURE編集部

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